人事のいろんなこと・・・

人事部門のマネジメントをしています。日ごろ考えたこと、印象に残った本などを紹介していきます。

エンジニア採用を成功させる(面談で魅力付けを行う)

エンジニア採用を成功させるシリーズの第2弾は、面接での魅力付けについて紹介します。

ひと昔前の面接と言えば、面接官から候補者への質問が中心でしたが、このスタイルが変わりつつあります。そして、面接の場をうまく活用して魅力付けができた企業が、優れた候補者を惹きつけ、他社の差別化を実現しています。今日はこのことについて取り上げます。

エンジニア採用を成功させる(エージェント採用を成功させる)についても、ご一読ください。

nbhero0426.hatenablog.jp

 

 1.すべての候補者を温かくお迎えする

従来の面接では、面接官の方から様々な質問を行いその質問に対して候補者答えていく形式でした。この形式の面接では「志望動機」「なぜ転職しようとするのか」「将来のキャリアプラン」を聞くのが定番です。また冒頭では、「面接の最後に質問の時間を設けています」などと発言し、最後に1、2個くらい質問を受けるという流れが多いです。
これは確かに教科書に出てくるような模範的な面接のスタイルであり、私も過去に所属した大手の会社の面接で、このようなスタイルでやっていましたので、自分なりのパターンとしてしみついていました。
しかし、とある人と面接した際に、このように言われたことがあります。

ちょっと質問がキツイんだよね・・・。ハイレベルで優秀な人を見極める時には突っ込んだ質問してもいいんだけど、もしかすると将来お客様になるかもしれない方なのだから、合否に関わらず好印象で終わりたいんだよね。できるだけ優しく質問してあげようよ。

これを聞いて、自分は今まで選ぶ側っていう立場で、かなり上から目線で面接をしていたんだな、ということに気付きました。一方的な質問のスタイルでやっていくと、次から次へと質問をしてしまい、その答えに一部不可解なことがあるとすかさず突っ込んでしまう。そして、鋭い突っ込みをいかにするかが面接官の腕のみせどころ、こんなふうに思っている方って意外と多いんじゃないでしょうか。
 
しかし、これを突き詰めていくと、どんどん質問そのものがキツいものになりがちです。
もちろんハイレイヤーの方を採用する時、答えに窮する鋭い質問を意図的にすることはあります。痛いところをついて反応を見る、これも必要な手段です。
ただし絶対に忘れてはいけないこと、これは「候補者と企業は対等な立場で、相互の理解の場とする」ということです。このスタンスを絶対に忘れてはいけません。
全ての候補者を温かくお迎えする、というスタンスを忘れずに面接に臨むとよいでしょう。
 

2.魅力付けを先に行う

これも従来の面接スタイルにありがちですが、いくつかインタビューをした結果どうも良い人財ではないという気がしてきて、途中で「これはないな」って思うことってありますよね。そうなった瞬間本人からの質疑応答もドライに対応し、余計なことを教えないように最低限形式的な回答してしまうことってありませんか?

しかし、今この瞬間においては自社の採用候補者かもしれませんが、もしかすると将来は自社のお客様になるかもしれないです。あるいはもうすでに当社の製品を使って頂いているかもしれません。もしも面接が不合格となった場合でも「入社のご縁はなかったけど、でも印象の良い会社だったなあ」、そんなイメージを持って頂けるように工夫する必要があります。

これを実現するためには、まず面接の冒頭で、企業側の紹介をしっかりしてあげるとよいでしょう。ついつい相手のことが知りたくて面接してしまいがちですが、そこはぐっとガマンです。まずは自社のPRをきちんとし、会社は何を目指しているのか、なぜ今このポジションを募集しているのか、できるだけ丁寧にしてあげましょう。きっと候補者の方は話を聞いているとどんどん魅力が高まってくるはずです。ある程度紹介できたな、というあたりから、本題の質問に入っていくとよいと思います。

また、候補者の方はとても緊張しているはずです。緊張していると思っていることがなかなか言えないこともしばしば。ですが、冒頭からの質問を避け、話を聞くところから始めてあげると安心感が出てきて、リラックスしながら話ができる点もポイントです。

3.候補者との共感を生む質問をする

面接は候補者からすれば、どのような人と一緒に働くかを確認する場でもあります。自分の価値を提供できそうか、自分の価値を理解してくれそうな会社(パートナー)であるかをよく観察しています。このことに注意を払い、候補者の専門性/性格/志向/環境を踏まえたうえで、候補者と共感できるような質問をしてあげるとよいです。

たとえばエンジニアの場合、上流工程に強い方もいればテクニカルに強い方もいます。職務経歴書で本人がどの領域に強いか、アピールしています。テクニカルに強いエンジニアには、テクニカルに強い人が面接官となり、テクニカルに関するインタビューを相互に交わしていきましょう。このようなコミュニケーションを行うことで、「あ、この会社には自分のスキルを理解してもらえる人がいるんだ」と安心できるようになります。

面接プロセスをルール化していくことは重要です。ですが、一次面接は部長、二次面接は本部長など、役職縛りの面接プロセスを設けている会社が多いです。当然、採用の意思決定をする方が会うステップは必要です。ですが、面接のプロセスのどこかでは、候補者のタイプに合わせて面接官を臨機応変に変えてみてはいかがでしょうか。