人事のいろんなこと・・・

人事部門のマネジメントをしています。日ごろ考えたこと、印象に残った本などを紹介していきます。

社員が増え続ける会社が抱えているチームの問題点(タックマンモデル)

採用意欲の高い企業が多く人材獲得競争が激化していることは、このブログで何度も説明してきました。業績を順調に伸ばしている会社は、社員数も増えており、どんどん大きな会社組織になっています。


しかし、社員数が増えれば増えるほど組織の連帯感を維持するのはかなり難しく、様々な問題が勃発します。人は増えてるんだけど組織内はグチャグチャだったり、一人ひとりの関係性が壊れてギスギスしていたり、組織の問題を理由に退職していく社員が出たり・・・そんな悩みを抱えている成長企業・スタートアップ企業の皆さんは多いのではないでしょうか。

 

そして、すごい採用頑張ってるんだけど、中途採用数と退職者数合わせたらほぼプラマイゼロだったり、むしろマイナスだったり、なんて会社もあると思います。

これだと、中途採用の目的が「会社を成長させるための人員増強」のはずが「退職者の欠員補充」になってしまいます。これを続けているとポジティブな採用活動ができなくうなり、採用担当のモチベーションが上がらなくなってしまいますね。

 

業績好調な成長過程にある企業では、新しいメンバーが常にJOINします。新しいメンバーがJOINしてもチームが維持しレベルアップしていくためには、組織が成長していくライフサイクルのプロセスを1つ1つクリアしていく必要があります。

 

■タックマンモデルについて

www.kaonavi.jp

 

タックマンさんとはドイツの心理学者です。タックマンモデルは1965年に提唱されましたが、今でも組織開発の基本的事項として有名な理論となっています。

 タックマンさんは、組織形成のライフサイクルには次のような4段階があると提唱しています。

1、 形成期(Forming)
チームが形成されるが、メンバーは自らの役割がまだはっきりと理解できていない状態、チームメンバーは、まだお互いのことをよく知らない状態。この段階では、メンバー一人ひとりは期待と不安が入り混じった段階であり、経営者やリーダーに説明や指示を求めようとする。

2、 混乱期(Storming)
チームの課題を解決するアプローチを模索する状態にあり、一人ひとりが、それぞれ自分のやり方で課題に向かって動き始める。メンバー同士で仕事や価値観をめぐる個人的な衝突が起こるようになったり、チーム内のヒエラルキーを気にする動きが出始めたりする。

 

3、 統一期(Norming)
チームとしての行動規範や役割が明確になる状態。オープンな意見交換が行われ、お互いが認め合うようになる。皆で目標達成に向けての効果的なステップや各人の役割分担を検討するようになる。

 

4、 機能期(Performing)
チームが機能し、業績が生まれる状態。チームに一体感が生まれ、目標達成に向けて集中できるようになる。メンバーは共通の目的意識を持ち、効果的にコミュニケーションを取ることが出来るため、成果に向けて効率的かつ柔軟に動くことが出来るようになっている。

 

 

チームが確立するためには、すべてのステージを経験していかなければなりません。特に「1」や「2」のステージでは、衝突や混乱は避けられませんので苦しい状態が続きますが、経営者やマネージャーは根気強く粘り強くがんばって、次のステージに行かせなければならないのです。

 

ところが、個々の対立への恐れからか、実際には多くのチームが形成期を脱することが出来ないことが多いです。その結果、チーム内の人間関係がうまくいかずなかなかパフォーマンスが上がらない、そして人がなかなか定着しない・・・人が入れ替わるので結局組織がいつも形成期になってしまう・・・これでは悪循環が続いてしまいますし、組織のパフォーマンスが発揮できないままになってしまいます。

 

皆さんの会社でもうまくいっていない組織ってあると思いますが、きっとこの4つの段階の「1」や「2」あたりにあるではないでしょうか。そして、「1」と「2」の状態を抜け出せない「何か」が、会社の中に存在しているのではないでしょうか。

 

今ちょうど、この「何か」について高い関心を持っており、様々な事例や情報の収集をしております。私の中で何かをつかみ、記事にできるようになった時に、このブログでまとめてみたいと思います。