過去の成功体験への固執はガラパゴスを生む

既存の人事制度を抜本的に見直しし新しい制度に置き換えるようなプロジェクト、よく耳にします。大企業だと大体、10年~15年サイクルくらいで制度大改定を行っているような感覚です。
私も2007年ごろから2~3年かけて、人事制度改定を担当者として経験しましたが、10年経った今、当時の成功体験を一旦リセットしようかと思い始めています。今日はこのことについて書いてみました。


1990年代~2000年代に、多くの企業が目標管理制度を導入しました。当時の制度の特徴は、個々の目標達成度は数値で点数を算出し、その合計点を一人ひとり比較し、最後は相対評価で序列を決める制度が主流でした。しかしこの制度には問題があり、テクニック次第で点数を高くすることができる制度になってしまいました。目標達成度得点を高くしようとして目標のレベルを下げたり、目標を達成しやすい内容で設定したり、この動きを抑制することが出来ず、成果主義が機能しない傾向が見られました。このことを取り上げた、富士通の暴露本はベストセラーにもなりました。

私が制度改定を担っていた2007年頃は、目標管理制度の問題点を改善するしくみを導入し始めている企業が多く存在しました。私もそのような事例を研究し、当時の会社でリニューアルした目標管理制度を導入しました。その時は一生懸命仕事し、一生懸命考えたので、今でも良い思い出になり、自分が人事のビジネスパーソンとして最も成長したフェーズでもありました。


この時の考えたことが今でも脳裏に焼き付いており、自分が実現した制度改定が最も新しい人事制度である、一旦そのように考えると、いつまでも最新の制度のまま維持されてしまいます。


今、シリコンバレーの企業を中心に、人事評価を廃止する会社が出始めました。
半期や一年などのサイクルで人事評価し序列を決めるというやり方がそぐわなくなっているようで、頻繁なコミュニケーションを通じたフィードバックの方がスピードが求められる経営環境においては有効という考え方が少しずつ広がってきています。また、多様な働き方・価値観を尊重する時代においては、通り一遍の人事評価指標でフィードバックをすること自体が難しくなっていると(むしろナンセンスとも)言われています。

人事のトレンドは少しずつ変化していて、10年も経つとがらっと変わっています。過去の成功体験に酔いしれていては時代遅れになってしまいます。うまくいったこと・考えたことに対する固定観念をなるべく排除し、常に時代のニーズやトレンドにアンテナを張り続けるはとても重要だと感じています。